○いの町職員等からの公益通報に関する要綱

平成31年3月22日

告示第30号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 秘密保持の徹底・利益相反関係の排除等(第5条・第6条)

第3章 通報等の受付等(第7条―第9条)

第4章 調査及び是正措置(第10条―第13条)

第5章 通報者等の保護等(第14条・第15条)

第6章 雑則(第16条―第22条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)及び「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン(内部の職員等からの通報)(平成29年7月31日消費者庁。以下「地方公共団体向けガイドライン」という。)の趣旨を踏まえて、町において、町及び町職員についての法令違反行為等に関する、職員等からの通報等を適切に取り扱うため、これらの通報等への対応手続に関する事項を定めることにより、通報者等の保護を図るとともに、町の法令遵守等を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において「法令違反行為等」とは、町の事務事業に関する事実であって第7条第1項に規定する、町及び町職員による法令違反、条例違反その他の不正な行為又は町の法令遵守の確保及び適正な業務遂行に資する事実をいう(当該法令違反行為等が生じるおそれがある場合を含む。)

2 この要綱において「職員等」とは、次に掲げる者とする。

(1) 町職員(臨時職員等を含む。以下「職員」という。)

(2) 町と契約関係にある事業者及びその役職員

(3) 前2号に規定する者であった者

(4) 前各号に規定する者のほか町の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

3 この要綱において「内部通報先」とは、第4条に規定する内部通報・相談窓口をいう。

4 この要綱において「受付」とは、内部通報先に対してなされた通報、相談、意見又は苦情等を受けることをいう。

5 この要綱において「受理」とは、内部通報先に対してなされた通報について、調査又は是正措置を行う必要性があるものとして受け付けることをいう。

6 この要綱において「被通報者」とは、その者が法令違反行為等を行った、行っている又は行おうとしていると通報された者をいう。

7 この要綱において「任命権者等」とは、職員の任命権者、任命権の委任を受けた者その他職員又は被通報者を監督する立場にある者をいう。

(総括通報等責任者)

第3条 職員等から内部通報先に対してなされる通報及び相談(以下「通報等」という。)への対応に関する事務を総括するため、総括通報等責任者を置くこととし、副町長をもって充てる。

2 総括通報等責任者は、通報等への対応に関する規程類の整備、研修の実施、通報に関する調査の進捗等の管理、通報等を理由とする不利益な取扱いの防止その他通報等への適切な対応の確保に関する事務を総括するものとする。

3 総括通報等責任者は、前項に規定する事務を総務課に行わせることができるものとする。

(内部通報・相談窓口)

第4条 町の内部において町及び町職員による法令違反行為等に関してなされる通報等を取り扱うため、総務課に内部通報・相談窓口を置き、総括通報等責任者がこれを総括する。

2 内部通報・相談窓口は、次に掲げる事務を取り扱う。

(1) 町及び町職員による法令違反行為等に関してなされる通報等の受付に関すること。

(2) 内部通報先の通報等への対応についての意見又は苦情の受付に関すること。

(3) 通報者及び相談者(以下「通報者等」という。)との連絡調整に関すること。

第2章 秘密保持の徹底・利益相反関係の排除等

(秘密保持及び個人情報保護の徹底)

第5条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて、通報等に関する秘密を知り得た者を含む。以下同じ。)は、通報等に関する秘密を漏らしてはならない。

2 通報等への対応に関与した職員は、当該対応手続において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

3 通報等への対応に関与する職員は、通報等への対応に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため、通報等への対応の各段階(通報等の受付、調査、是正措置及び通報者等への結果通知。以下同じ。)及び通報等への対応終了後において、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。

(2) 通報者等の特定につながり得る情報(通報者等の氏名、所属等の個人情報のほか、調査等が通報を端緒としたものであること、通報者等しか知り得ない情報等を含む。以下同じ。)については、被通報者及びその関係者に対して開示しないこと(通報等の対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)

(3) 通報者等の特定につながり得る情報を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面(電子メールを含む。)による明示の同意を取得すること。

(4) 前号に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に説明すること。

4 内部通報先における通報等への対応に際する秘密保持及び個人情報の保護に関しては、前各項に定めるもののほか、個人情報の保護に関する法令その他関係法令等に従うものとする。

(利益相反関係の排除)

第6条 職員は、自ら当事者となっている案件に関する通報その他の利益相反関係を有する案件についての通報等への対応に関与してはならない。

2 通報等への対応に関与する者は、通報等への対応の各段階において、相互に当該通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。

3 通報等への対応に着手しようとする者は、当該案件について自らが利益相反関係を有すると思料するときは、直ちに総務課長にその旨を伝えなければならない。

第3章 通報等の受付等

(受付の範囲及び取扱い)

第7条 内部通報先は、職員等からの次の各号に掲げる事実についての通報等を受け付けるものとする。ただし、第1号から第3号までに掲げる事実については町の法令遵守等の確保及び適正な業務遂行のために必要と認められるものに限る。

(1) 法令に違反する行為に関する事実

(2) 町に適用される条例、規則その他の規程に違反する行為に関する事実

(3) その他、町の法令遵守等の確保及び適正な業務遂行に資する事実

2 内部通報先は、通報等があったときは、法及び地方公共団体向けガイドラインの趣旨を踏まえ、誠実かつ公正に通報等に対応し、正当な理由なく通報等の受付又は通報の受理を拒んではならない。

3 内部通報先は、匿名による通報等についても、可能な限り実名による通報等と同様の取扱いを行うよう努める。

(受付手続)

第8条 内部通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、内部通報受付票に従い、通報等への対応に関する秘密保持及び個人情報の保護に留意しつつ、通報等への対応に必要な事項を通報者等に確認するものとする。ただし、通報者等の特定につながり得る情報を確認することについて、通報者等の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。

2 内部通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、次に掲げる事項を通報者等に説明するものとする。ただし、通報者等が説明を望まない場合、匿名による通報等であるため通報者等への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りでない(以下、次項次条第2項第10条第3項第13条第4項及び第15条第2項に規定する通知においても、同様とする。)

(1) 通報等に関する秘密は保持されること。

(2) 個人情報は保護されること。

(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。

3 前2項において、書面(電子メールを含む。)等、通報者等が通報等の到着を確認できない方法によって通報等がなされた場合には、速やかに通報者等に対して通報等を受領した旨を通知するよう努めるものとする。

4 通報を受け付ける際には、専用回線を設けることや、個室で面談する等の措置を適切に講じ、通報等の秘密を守ることとする。

(受理手続)

第9条 総務課は、内部通報・相談窓口が通報者から通報を受け付けた後は、法及び地方公共団体向けガイドラインの趣旨を踏まえて当該通報に関して調査又は是正措置を行う必要性について十分に検討する。

2 内部通報・相談窓口は、総務課が通報を受理すると判断したときはその旨を、受理しないと判断したとき(情報提供として受け付けることを含む。)はその旨及びその理由を、通報者等に通知する。

3 総務課は、当該通報を受理するときは、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定するよう努めるものとする。

第4章 調査及び是正措置

(調査の実施)

第10条 通報を受理した総務課は、当該通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者が被通報者及びその関係者に特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行う。

2 総括通報等責任者及び総務課長は、調査の方法、内容等の適正を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、調査について適宜確認を行う等の方法により、通報事案を適切に管理する。

3 総務課は、適正な業務執行の確保及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合を除き、通報者に対し、調査の進捗状況を適宜通知するとともに、調査結果を可及的速やかに取りまとめ、その結果を遅滞なく通知する。

(調査の方法)

第11条 通報事実の調査に当たっては、総務課は通報者等から面談、電話、電子メール等を通じて聴取を行い、通報事実の内容に誤りがないか確認するよう努める。

2 通報に関して調査又は是正措置を行う必要性がないとして調査を終了する場合には、通報を受領したこと又は調査を実施したことについて被通報者の任命権者等に知らせないものとする。ただし、調査の実施の過程で、既に任命権者等へ聴取を行っている場合を除く。

3 調査の端緒が通報等であることを他の職員に認識させないよう、事案の性質に応じて適切な措置をとるものとする。

(協力義務等)

第12条 総務課から調査の協力を求められた職員は、調査に誠実に協力をしなければならず、調査を妨害する行為をしてはならない。

(調査結果に基づく措置)

第13条 総務課は、調査の結果、第7条第1項第1号から第3号までに掲げる事実があると認めるときは、速やかに被通報者の任命権者等に調査結果を報告する又は是正権限を有する部署に対し是正措置及び再発防止策をとるよう要求するなどの措置をとらなければならない。

2 前項の是正措置及び再発防止策の要求を受けた部署は、速やかに是正措置及び再発防止策をとるものとする。

3 前項の措置をとった場合には、措置を行った者はその内容を速やかに総務課に報告することとする。

4 総務課は、第2項の措置がとられた場合には、その内容を、町における適正な業務遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者に対し、遅滞なく通知する。

5 総務課は、是正措置又は再発防止策をとった後、法令違反行為等が再発していないか、是正措置又は再発防止策が十分に機能しているか確認するとともに、必要に応じ、新たな是正措置又は再発防止策をとる。

第5章 通報者等の保護等

(通報者等の保護)

第14条 通報者等である職員の任命権者等は、内部通報先に対し不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、通報等を行った職員に対し、通報等を行ったことを理由として、懲戒処分その他不利益な取扱いをしてはならない。

2 総務課は、被通報者が、通報者等の存在を知り得る場合には、被通報者が通報者等に対して第1項に規定する不利益な取扱いを行うことがないよう、被通報者に対して、注意喚起をする等の措置をとるものとする。

3 総務課は、通報等の対応の終了後、通報者等に対し、通報等をしたことを理由とした不利益な取扱いが行われていないかを適宜確認する。

4 総務課は、通報者等が、第1項に規定する不利益な取扱いを受けていることが明らかになった場合には、これを是正し得る者に通知し是正を求める旨を伝えるなど、通報者等の保護に係る必要なフォローアップを行うよう努める。

(意見又は苦情への対応)

第15条 内部通報先は、内部通報先に対する通報等への対応に関して通報者等から意見又は苦情の申出を受けたときは、迅速かつ適切に対応するよう努める。

2 前項の申出の内容が、通報等への対応に関する秘密及び個人情報の漏洩、通報に関する調査及び是正措置の遅滞、不適切な調査の実施その他内部通報先の不適切な対応に関するものである場合には、前項の申出を受けた内部通報先は、速やかに苦情に係る内部通報先における対応状況を確認し、必要な是正措置等をとった上で、その結果を通報者等に通知するものとする。

第6章 雑則

(懲戒処分等)

第16条 任命権者等は、第5条第1項及び第2項の規定に正当な理由なく違反した職員及び第14条第1項の規定に違反した職員に対しては、懲戒処分その他適切な措置をとるものとする。

(通報等の関連文書の管理)

第17条 通報等への対応に係る記録及び関係資料については、文書管理に関する法令、いの町文書規程(平成16年いの町訓令第5号)等に基づき適切な方法で管理しなければならない。

(法及び本要綱の周知等)

第18条 総括通報等責任者は、町における通報等への適切な対応を推進するため、通報等への対応に関する規程類を整備するほか、職員に対する広報の実施、定期的な研修の実施その他適切な方法により、法、地方公共団体向けガイドライン及び本要綱に基づく通報等の方法、通報等の取扱い、通報者等の保護の仕組み等について、充分に周知するものとする。

2 総括通報等責任者は、前項の事務を、総務課に行わせることができる。

3 内部通報先は、通報等の方法、通報等の取扱い、通報者等の保護の仕組みについて職員等から問合せがあった場合には、教示するものとする。

(通報対応の評価及び改善)

第19条 町における通報対応の仕組みの運用状況についての透明性を高めるとともに、客観的な評価を行うことを可能とするため、総務課は、通報対応の仕組みの運用状況に関する情報を、各年度の終了後、速やかに公表する。ただし、当該情報を公表することにより、通報に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適正な業務遂行の確保及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じる場合においては、個々の通報事案ごとに、その全部又は一部を非公表とすることができる。

2 総務課は、通報対応の仕組みの運用状況について、定期的に評価及び点検を行うとともに、他の行政機関、民間事業者による先進的な取組事例等を参考として、通報対応の仕組みを継続的に改善するよう努める。

(他の法令等との関係)

第20条 通報等への対応手続については、他の法令(条例、規則その他の規程を含む。)に特別の定めがある場合又はこれに基づく運用がある場合を除くほか、本要綱の定めるところによる。

第21条 本要綱は、職員等が本要綱に規定する者以外の職員に対し通報等を行うことを妨げるものではない。

(通報等への対応の特例)

第22条 通報等に適切に対応するために町長が必要があると認める場合は、町長が指定する者が通報等への対応を行うものとする。

この要綱は、平成31年4月1日から施行する。

(令和6年8月21日告示第146号)

この告示は、令和6年8月21日から施行する。

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いの町職員等からの公益通報に関する要綱

平成31年3月22日 告示第30号

(令和6年8月21日施行)

体系情報
第4編 行政通則
沿革情報
平成31年3月22日 告示第30号
令和6年8月21日 告示第146号